子宮蓄膿症と和漢治療


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オヤツを催促、元気なハナちん




先日 記事にも書きました「子宮蓄膿症」のお話です。
過去の記事の中でも「子宮蓄膿症」に関する記事を見に来てくださる方が結構多いんですね。



ハナが摘出手術をしないことを前提に 最初に受けていた治療は、エコー検査と膣洗浄と抗生剤、
そして子宮蓄膿症の治療薬「アリジン」です。
当時(現在はわかりません)日本では未発売のため獣医さんによって
個人輸入の形で海外から取り寄せになります。
検疫もかねた輸入に日もかかるため在庫のある獣医さんでしか治療は出来ません。
もともとは持病や年齢的に手術が難しい場合に使うお薬です。
副作用がほとんど無いと説明されましたが 
子宮を収縮させるお薬で内臓にも同じように作用されるらしく、
ハナの場合、嘔吐や下痢に悩まされました。

ハナはもともと発情の周期がおかしく、
3~4ヶ月に一度のペースで無出血の発情が来ました。
最初、お里で9月に発情があったと知らされ、日本に来て12月に?と言う状態で
それで、もとは私たちの不注意なのですが
自然交配に至ってしまいホルモン注射を受けたことが原因だと思われます。

後になって、和漢診療の獣医さんで
健康な状態の子ならなんら問題は無いですが、ハナの様な子には危険な薬であり
当医院では使用していない、というお話を聞きました。




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漢方治療をはじめて落ち着き始めた頃

最後に出陣した ’17.12特別日本チャンピオン決定審査会





和漢医療でのハナの治療はいたってシンプルなものでした。
漢方薬は粉薬で朝晩の食事にふりかけるだけです。
おりものがでたらエコー検査で子宮の状態を診察、
生理食塩水を使った膣洗浄。
内膜症や蓄膿症になりかけたら抗生剤を飲ませる。
それだけの治療です。

ハナはどんどん良くなりました。
交配をむかえる頃には5ヶ月周期にまでなりました。
わずかな出血も見られ、子宮蓄膿症も完治した状態になり
1シーズンずらして交配にのぞむことにしました。

結局、胎児が育たず、全摘になりましたが、
今は本当に元気です。
いたらない飼い主はただただ、多くを学ばせてもらったと、
ハナや関ってくださった先生方には感謝しかありません。



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‘17特別日本チャンピオン審査会 成犬メス組Ch

Hana z Padoku






審査会はこの日で引退し、不妊治療に専念することを決めていました。
病気の事もあり、まだまだハナの身体やいろんな意味での仕上がりは
私自身、納得のいくものではありませんでしたが
チャンピオンをいただいたことは これまでの頑張りや これからの励みにもなり
お世話になっている獣医先生方にも嬉しい報告が出来ました。






ハナの治療に使われた漢方薬は

桂枝茯苓丸+薏苡仁(けいしぶくりょうがん+よくいにん)

「桂枝茯苓丸」は産婦人科で用いられる三大漢方薬のひとつで
月経異常、更年期障害に、あと皮膚のトラブルにも良いそうです。
確かに、月経異常と体の内側での皮膚トラブルと考えたらハナの症状にあてはまります。

「薏苡仁」はハトムギです。
イボ取り名人とか美肌効果をよく聞き、化粧品などにもよく使われていますよね。
利尿作用もあり、からだにたまった水分を老廃物とともに排出する効果もあるそうです。

漢方薬というと高額なイメージがありますが、そんなことありませんでした(^^)
犬にも人にも負担の無い治療で病状が完治するなんて
自然の恵み、力をつくづく感じました。

人もいま、大きな病院の中にできた「和漢診療科」が注目されているとTVで観ましたが
こちらで人も一緒に診てもらえると嬉しいんですけどね~(笑)


ご紹介させていただいた動物病院はこちらです。







by del_quattro | 2019-10-19 15:34 | dog health

I love European dobermans


by ik-umi
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